エビデンスが確認されていないASD理解について議論する
自己流のASD理解は危険なのか?そこに学ぶべきものはあるのか?
「エビデンスが確認されていない」クライエント理解および心理療法の実践は倫理的な問題を含み、必ずしも推奨されるべきものではありません( 日本臨床心理士会倫理綱領第5 条3 項)。
このように本来、自己流のクライエント理解は慎むべきものですが、神経発達症、特にASD についてDSM 等の診断基準に該当する範囲を越えて「ASD」として理解しながらかかわりをもつことは、実臨床場面において少なくないのではないでしょうか。
「診断はつかないけどASD」といった疾患カテゴリー概念は実践家の数だけ存在し、その理解に関する専門家間でのコンセンサスを受けていなかったとしても、クライエントおよび心理療法における関係理解にとって、実践家・クライエント双方にとって意味深いことは決して珍しくないと思います。
今回はカウンセリングオフィスみかわの相談員が日々の臨床を通して理解するに至った“自己流~ローカルなASD 理解” を呈示します。
その知見~ローカル理論について、長年にわたって研究および臨床実践を重ねる第一人者の視点を通して、その有用性と修正が必要なポイントを検討していきます。
後半ではさらに、事例検討を通してローカル理論の適用可能性について理解を深めたいと思います。
開催概要
[日時]
2025年3月23日(日) 10時00分~16時00分
10:00~10:35 ASD 概論( 松本)
10:35~11:20「 視野の狭さ・没入に伴う分離の問題、感覚体験が共有されないことの苦しみ」( 和田)
11:20~12:05「 切替えの不全、感覚過敏を背景とする不快刺激の中和の問題、字義通りの解釈」( 中西)
12:15~12:45 指定討論( 松本)
12:45~13:00 質疑応答
14:00~16:00 事例検討~DSM 上ASD と診断されない事例について
[話題提供]
和田浩平( 三河病院/カウンセリングオフィスみかわ)
中西和紀( あいせい紀年病院/カウンセリングオフィスみかわ)
[指定討論]
松本英夫( 丹沢病院/メンタルクリニック・ダダ/東海大学医学部名誉教授)
[司会]
森田美弥子( 名古屋大学名誉教授/カウンセリングオフィスみかわ)
[場所]
刈谷産業復興センター306会議室/オンライン参加可能
〒448-0027 愛知県刈谷市相生町1丁目1-6
[参加費]
有資格者一般:5,000円/回
院生:4,000円/回
※有資格者一般は、公認心理師、臨床心理士、医師を対象としています。
※ 臨床心理士資格更新ポイント(ワークショップ型)申請予定
松本英夫( まつもとひでお) 医師:東海大学名誉教授。
東海大学医学部精神科学教授( 領域主任) を定年退職後は、丹沢病院、メンタルクリニック・ダダで非常勤医師として勤務。専門は児童青年精神医学。
精神科専門医・指導医。精神保健指定医。医学博士。一般社団法人日本児童青年精神医学会元代表理事・現監事。日本ADHD 学会常務理事。日本青年期精神療法学会理事。精神力動的児童臨床研究会運営委員。青年期精神療法誌編集委員。
著書に『乳幼児精神保健の基礎と実践ーアセスメントと支援のためのガイドブック』( 編著、岩崎学術出版社)、『心とかかわる臨床心理ー基礎・実際・方法ー』( 共著、ナカニシヤ出版)、ほか。
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